体験談

統合失調症の私が30代でやってきたことの全て

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

・統合失調症の私が30代のころにやってきたことは
・30代で身に付けるべきスキルとは
・フリーランスになって実感したことは?

この記事ではこんな疑問に答えます。

20代前半で統合失調症と診断され、ひきこもりや精神科病院の閉鎖病棟への入院を経験しました。そんな私が社会復帰できたのは、30代になってから就労移行支援事業所を利用したからです。

その後、就労継続支援A型に勤務して経験を積んだあと、個人事業主として開業することができました。

そんな生活を送ってきた私にとって、30代で経験したことは貴重な体験でした。

この記事では、統合失調症の私が社会復帰を実現できた30代でやってきたこと全てを解説します。

立花浩紀

統合失調症の当事者の立花浩紀が執筆しています。デイケア・就労移行支援・就労継続支援A型・障害者雇用・クローズ就労など様々な働き方を経験し、現在はフリーランスのWeb制作者として活動しています。Web制作は1999年から始めたベテラン。これまでの経験とスキルを活かして、障害を持ちながら自分らしく働くための情報を発信中です!

この記事でわかること

・統合失調症の私が30代でやってきたこと
・専門スキル+ポータブルスキルを身に付けよう
・孤独になれる、孤独を楽しめるようになる

統合失調症からのリカバリーの道程

まずは私が30代でやってきたことの総括を時系列でざっくり解説します。

31歳~32歳:就労移行支援事業所へ入所

20代から通所していたデイケアの職員からの紹介で、近所にある就労移行支援事業所に入所しました。就労移行では、基本的なビジネスマナーを学び、Web制作の実務や印刷物のデザインなどを学びました。

32歳~33歳:ブラック便利屋にアルバイト就職

就労移行支援を卒業して近所にある便利屋さんに就職が決まりました。時給は800円。これでも最低賃金より高額でした(当時は)

ただこの便利屋さんがかなりのブラック企業で、短い勤務期間の間に様々なことが起こりました、、、

34歳~38歳:就労継続支援A型事業所に勤務開始

元いた就労移行支援事業所に新しくA型事業所の部署ができるということで、34歳からそのA型事業所の利用者となりました。主にWeb制作(WordPress)の仕事を中心に学び、その他にはデータ入力やデザインの仕事なども担当しました。

38歳~:個人事業主(フリーランス)として開業

38歳のときに、A型事業所を卒業してフリーランスとして開業しました。仕事内容は主にWebライターです。当時はWebライターの仕事がちょっとしたブームとなっており、私もその波にのることができました。

31歳~32歳:就労移行支援事業所へ入所

ここからは、それぞれの歳にやってきたことを深堀して紹介します。

私の社会人としてのキャリアのスタートは、31歳で入所した就労移行支援事業所でした。

当時は精神障害者の雇用義務化などもなく「精神障害者が就職するなんて考えられない」みたいな状況でした。

当時は障害基礎年金2級を受給しており、実家暮らしでもあったので、それほどお金には困っていませんでした。そんな感じで、デイケアに行ったり休んだりしていたのですが、私がパソコンに興味があると知ったデイケアの職員さんから、パソコンが勉強できる就労移行支援事業所を教えてもらいました。

当時は「就労移行支援ってなに?」みたいな感じでしたが、特にお金もかからないし、日中に行ける場所が増えそうという理由で通所を決定しました。

正直なところ当時は「働くなんてめんどくせぇなぁ~」なんて持っていましたね。

就労移行では主にWeb制作の訓練をしていました。HTMLとCSSをメインに学習して「Webクリエイター能力認定試験上級」や「ウェブデザイン技能士3級」などの資格も取得しました。

また、プライベートの時間で3か月間勉強して「応用情報技術者」の資格も独学で取得することができました。

メンタルも安定していたこともあり、非公開求人として紹介してもらった便利屋さんに就職が決まり、就労移行を卒業しました。

32歳~33歳:ブラック便利屋にアルバイト就職

就労移行支援を卒業して、便利屋さんに就職しました。といっても時給800円のアルバイトです。勤務時間は朝9時から夕方4時半まででした。

もともとこの会社での仕事は、Yahoo!オークションのストア管理のはずでした、就職して3か月くらいはその仕事に専念していましたが、メインの事業である便利屋のスタッフとしても担がれるようになり、それからずっと便利屋の仕事をしていました。

便利屋では、引っ越し、草刈り、ゴミ屋敷の掃除、など肉体労働ばかりでした。めちゃくちゃきつかったですが、なんとか毎日こなしておりました。

ところが社長が難病にかかり「会社はいったん畳む」と言い出し、しがないアルバイトだった私は会社都合で退職となってしまいました。

34歳~38歳:就労継続支援A型事業所に勤務開始

便利屋さんを辞めたあと、元いた就労移行支援に戻りました。

その就労移行支援事業所を経営している法人内に新しく就労継続支援A型の部署を作る話があり、私はWeb制作チームの立ち上げのメンバーとして採用されました。当時の時給は780円でした。便利屋のときより下がってる、、、

就労移行支援では、WordPressを使ったWebサイト制作が主な仕事でした。法人が営業でゲットした制作の仕事を、所属しているA型のチームで制作する感じですね。

初期のころはあまり仕事がなく、ランサーズなどもやっていたのですが、スタートして1年くらいで仕事が途切れないようになり、かなり忙しい日々を送っていました。

福井県や大阪府の民間企業から依頼されたデータ入力やコーディング代行のお仕事もさせていただき、A型ではいろいろなお仕事が経験できました。

利用者として仕事をしながら、自己啓発で資格取得もがんばっており、「情報セキュリティスペシャリスト(現在は情報処理安全確保支援士)」「ウェブ解析士「HTML5プロフェッショナル認定試験」「メンタルヘルスマネジメント検定」などの資格も取得しました。

A型事業所時代の後半は、他の利用者さんへの技術指導なども担当しておりました。隣の席で仕事をしていた知的障害の男性にWordPressのテーマ開発やjQueryの使い方などを教えて、戦力になってもらったこともあります。

プライベートでは37歳の時に放送大学に入学しました。通信制大学で日本最大級の規模を持つ大学です。37歳・38歳の2年間は選科履修生として学び、39歳で社会と産業コース所属の全科履修生となりました。

そんな感じでプライベートやA型事業所でのお仕事は順調だったのですが、マーケティング系のお仕事もしてみたいと思い、38歳でフリーランスを目指すことにしました。

38歳~:個人事業主(フリーランス)として開業

A型事業所の退職日の翌日に、すぐ開業届を提出して個人事業主になりました。

Webライターになろう、と思っていたのですが、実績も経験もなく、まずはランサーズをメインに案件の受注を行うことにしました。

ランサーズのクライアントが別のクライアントを紹介してくれることもあり、開業して1年くらいでA型事業所時代の収入を超えるようになりました。

個人事業主になり経営や経理に興味を持つようになり「日商簿記3級」や「FP2級」などのビジネス資格も取得しました。

40代になって今でも、個人事業を継続しております。

30代では専門スキル+ポータブルスキルを身に付ける

統合失調症などの精神障害者の中には、30代になってからようやく社会人として歩み始めたという方も多いと思います。

20代のころはメンタルがきつくて仕事どころじゃなかった方が、30歳になって「そろそろ仕事しようかなぁ、、、」と就労移行支援に通所し始めるのはよくある話。

個人的に、いまアラサーくらいの年齢だったら、まだまだ全然社会復帰可能だと思います。

私自身の経験ですが、やはり就職するのは「何らかの専門スキル」と「どの会社でも必要となるポータブルスキル」の両方をバランスよく身に付けるのが得策だと思います。

障害者の方は、難しい資格を目指したり、高度なITのスキルを身に付けようとしがちです。しかし将来、障害者雇用を目指すのであれば、それほど高度な専門スキルは必要とされません。

それよりも、基本的なパソコンの操作やビジネスマナーなど、就労移行支援で身に付けられる「ポータブルスキル」をまずはキチンとマスターした方が良いでしょう。

よく言われる話ですが、資格でいうとWordやExcelを学べる「MOS資格」や、ビジネスにおけるお金のやり取りが学べる「日商簿記3級」などの取得もおすすめです。

フリーランスは孤独との戦い

もしあなたが将来、フリーランスを目指しているのであれば、まず一つ伝えておきたいことがあります。

それは「フリーランスは孤独」だということ。

ありがちなフリーランス像として
好きな時に好きな場所で働ける
とか、
自分のスキルを活かして稼げる
とか、言われますが、実際にフリーランスとして働いている私が強く実感していることが「フリーランスは孤独」だということ。

私は2018年4月に開業しましたが、6月くらいで急激に孤独を感じるようになり、アルバイトでもしようかなぁ、、、と悩んでいた時期があります。

結局その時は寂しいながらもフリーランスを継続していたのですが、やはり孤独という環境は、経験してみないとなかなか厳しいです。なんというか「ひきこもり」とも違うんですよね、、、

なので、もし将来フリーランスを目指すのであれば「孤独対策」も少し頭の片隅に入れておくと良いかもしれません。

具体的には、
・オンラインサロンに参加する
・SNSで活動や発信をがんばる
・オフラインでの友人を作る
などがおすすめです。

40代の私は今何をしてる?

この記事を書いている立花は現在46歳です。
40代の私が今何をしているのか、気になりますか?

40代になった私は、就労移行や就労継続支援A型の経験を生かして、障害福祉の分野にチャレンジ中です。

現在は、社会福祉士の養成校(通信)で学んでいます。2027年2月に国家試験を受験予定。

また、放送大学での学びも継続しています。43歳で社会と産業コースを卒業し、45歳で生活と福祉コースを卒業しました。現在は、3コース目となる心理と教育コースで学びを継続しています。

そんな感じで40代になった私は、マイペースに自分の人生を進めています。

50代になる準備を積極的に

20代で統合失調症となり、30代で社会人をスタートした私ですが、やはり30代でそれなりの経験をしたことが、今の人生に大きな財産となっています。

そんな私も、もうアラフィフと呼ばれる歳になりました。

40代の間にやっておきたいことや、50代でチャレンジしたいことなど、私にはたくさんあります。特に「50代の10年間をどう過ごすか」にとても興味があります。

精神障害者になったことは、確かにつらい経験かもしれません。しかし、どんな自分になっても、自分の人生の舵を取るのは自分自身です。

自分が望む人生を自分らしく歩めるように、できることとやりたいことを整理して、1歩1歩前に進んでいける日々を過ごしたいものですね。



ご覧いただきありがとうございました!

各種SNS等で活動を行っております。よろしければ併せてフォローしていただけるとうれしいです!
X(旧Twitter)
Instagram
note
SNSではブログでは書けない内容や、管理人のプライベートな情報の発信を行っています。DM等でのご相談も随時承っておりますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

「いいね!」と思ったら、クリックお願いいたします<m(__)m>
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 統合失調症へ 統合失調症ランキング
にほんブログ村 介護ブログ 障がい者福祉・介護へ 障がい者ランキング
にほんブログ村 企業ブログ IT・情報通信業へ IT・通信業ランキング
ABOUT ME
立花浩紀
Web制作を専門とするフリーランスです。就労継続支援B型の職業指導員をしていました。統合失調症の当事者でもあります。福祉ITラボではITと障害福祉を掛け合わせた情報を発信しています。放送大学 心理と教育コース 所属。社会福祉士養成課程。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA